主要用途:専用住宅
構造・規模:木造平屋建
竣工:2021年
開けた場所にどっしりと建つ平屋の住宅。
車の行き来が多い、人目に留まる周囲が開けた環境。木が好きな施主らしさを表現すべく、地域の風土として一つの模範となるような木造建築の可能性を考えました。
広い敷地を覆いつくすように大きな屋根を掛けました。内部は外部をそのまま現し、どこにいても屋根の存在を感じることができ、住み手に安心感と一体感を提供します。そして、この大きな屋根がお堂のような佇まいを生み、地域のランドマークとして機能します。
この建物を成立させるのは、複雑な角度や形状で交じり合う骨組みを頭で理解し、さしがね一つで墨付けを行い、加工できる職人技です。プレカット加工が主流の現在では数少ない手刻み加工の現場。その実践の場を提供することで、職人技術の継承と、木造建築文化の魅力の伝達を狙いました。意匠と技術継承が融合するような、住宅が自分たちだけのためではない、職人技術継承に一役を担うひとつの建築のあり方を目指しました。